人と人、心と心が繋がる空間と日本料理を。

早川 亜由美さん飲食店オーナー

出身/長野県
移住年/2015年
家族構成/夫、子ども2人

歴史を受け継いでいく緊張感

高岡鋳物発祥の地・金屋町に佇む茶寮「和香(にこか)」は2015年秋、早川亜由美さんが開いたカフェ。築140年の町家を、太い梁や柱を生かして和モダンの空間にリノベーションさせた。
亜由美さんは長野県出身。大阪の調理師専門学校卒業後、日本料理店に就職し、そこで板前をしていた高岡市出身の勇人さんと出会って結婚。勇人さんは、料理人として各地の店で勤務し、2005年に大阪から香川へ移住。子どもが生まれてからは、育児を考えて富山へ移住した。次第に、高岡で自分たちの店を持ちたいという思いが募り、その夢を叶えられたのは、金屋町の定住促進に取り組む「金屋町元気プロジェクト」から古民家を紹介されたことがきっかけだった。
「明治7年に宮大工が建てた歴史ある建物。信頼して譲ってくださったうれしさと受け継いでいくことへの緊張感がありました」。

店舗兼自宅には現在「住まわせてもらっている」という感覚。 歴史あるこの家をきちんと次世代に残していきたいと語る。

世界から注目の和食文化を若者に

「和香」の名は、越中国守で万葉歌人の大伴家持に詠われた「和草(にこぐさ)」に由来する。柔らかい草、新芽といった意味だが、金屋町から香ってくる和の雰囲気を重ねた。
一汁三菜の日本料理のランチとカフェをメインに亜由美さんが一人で店を切り盛りしてきたが、他店で腕を振るう勇人さんも16年10月から厨房に立つことになった。
海のない長野で生まれ育った亜由美さんには、富山湾の幸は特別だが、どの土地にあっても、地元で採れる食材がいちばん美味しいと話す。富山大学芸術文化学部の学生たちとも知り合い、若い人たちにも和食を通して日本の文化を伝えたいとも思っている。
「主人と一緒に本格的な懐石料理を提供し、ものづくりを極めてきた職人の町、本物の価値が分かる人の住む町で愛される味を追求していきたい」。

本格的な懐石料理はもとより、この町のこの空間だから感じられる贅沢を、ぜひ味わって欲しいと語るご夫妻。