ふるさとの空気、匂い、すべて安心。

上野 賀永子さんコトノオト代表

出身/高岡市
Uターン年/2004年
家族構成/夫、子ども1人

高岡で、仕事も人間関係もより深く

広告のコピーや文芸誌の編集、映画の脚本・プロデュース、地域資源を活用した商品の開発など、多彩な才能を発揮し、多方面で活躍する上野賀永子さん。2012年、映画「おおかみこどもの雨と雪」とタイアップした富山県の観光キャンペーンのコピーや、最近では地元高岡の築100年の家を題材とした映画「Lost and Found」の脚本、プロデュースも手がけた。東京や全国の地方都市から原稿依頼も多い。インターネットやSNS の充実、北陸新幹線の開業で地方で仕事をする不便さは感じない。「地方は、きちんと整理できるほどの適度な情報量。都会で仕事をしていたら情報過多で埋もれてしまっていたかも。高岡に戻ってきたからこそ、人に恵まれ、仕事を深掘りすることができました」。

人のやさしさに包まれて成長

高岡で生まれ育ち、現代詩を学びたいと大阪芸術大学文芸学科へ進学。同大学芸術学部研究室勤務をしていたときに同郷のご主人と結婚。「子どもを育てるなら、高岡がいい」と28歳でUターンした。都会の喧騒、忙しさで体調を崩したことも帰郷を決断した理由だった。 「高岡駅に降り立ったとき、ふるさとの空気、匂いにほっとしました」。都会に憧れて18歳で離れたときと、10年後に戻ったときの高岡の印象はまったく違った。大きな懐に抱かれるような心の安らぎを感じた。ゆったりと流れる時間のなかで健康を取り戻し、一女に恵まれた。実家は、小売店などが軒を連ねる商店街で85年余り続く八百屋。上野さんが仕事で出掛けているときは、近所の人たちが小学校から帰宅した長女を「お帰り」と迎えてくれる。上野さん自身も幼い頃に宿題などを見てもらいながら育った。人と人 との絆、人情がまだまだ健在の土地柄だ。 「都会には都会の良さ、地方には地方の良さがある。高岡で暮らし、感じる物事は、ここだから得られる体験の雫のようなもの。年齢を重ねながら、その都度、言葉や自分自身を磨いていきたい」と上野さんは語る。

歩いていける映画館をコンセプトに「幻想キネマプロジェクト」 という上映会を主宰
2016年、北陸コピーライターズクラブの
HCC賞を受賞