夢と魅力が詰まった宝箱。
松井 壯太さん建材メーカー勤務 商品企画担当
出身/東京都生まれ、3歳から千葉県在住
移住年/2003年
家族構成/妻、子ども1人
高岡で商品開発の夢をかなえる
2003年、立山アルミニウム工業株式会社(当時)※への入社をきっかけに、松井壯太さんは、千葉県四街道市から高岡市に移り住んだ。
「千葉工業大学で工業デザインを学んでいたときから、高岡はものづくりが盛んな土地で、デザインに力を入れているという認識はありました。メーカーで商品開発の仕事がしたくて、30歳で転職しました」。
高岡は、アルミ産業がさかんで、アルミサッシや玄関ドアなど、アルミ建材を製造する大手メーカーが本社を構えている。
松井さんは現在、念願だった商品企画に携わり、門扉やフェンスなどエクステリアの企画・開発を担当している。
高岡では、金屋町や土蔵造りの家が並ぶ山町筋の古い町並み、ものづくりの工房を見学することもある。「ここには、江戸や明治期の建築が残り、時代の意匠をリアルに見ることができます。建物の細かな納まり、空間の使い方など、商品開発のヒントになることもありますね」。
松井さんが思いついたのは、伝統工芸と工業技術を融合した製品。コンセプトは、『ネオ・ジャパネスク』だ。高岡銅器の伝統の着色を施したブロンズパネルをポール表面に用い、職人の技とアルミの技術、伝統の素材とモダンな質感が調和した「機能門柱」を試作する。その作品は、2005年の富山県デザイン展で奨励賞に輝いた。
「高岡は銅器や漆器などの伝統工芸を守り伝えているものづくりの都市。古き良きものを大切にする心と、職人の技が息づいています。高岡の地に移住したことが、新しい発想につながっていますね」。
※現在の「三協立山株式会社 三協アルミ社」
ストレスの少ない環境で子育て
松井さんには、2歳になる男の子がいる。休日は、家族で高岡古城公園や高岡おとぎの森公園にでかけ、緑のなかでのびのびと遊ぶことが多い。
「渋滞もなく移動にストレスがないのがいいですね。もう少し大きくなれば、釣りやスキーに行ったり、立山にも登りたいですね。高岡は、山にも海にも近い。待機児童の問題も心配いりません。子育てには、とてもいい環境だと思います」。
雨晴海岸と海越しの立山連峰の雄大な景観、新鮮で美味しい海山の幸、地酒、純朴な人柄。高岡を『宝箱』のようだと話す松井さんは、これからもまだまだ新しい魅力と出会えそうだと胸を躍らせている。