「自分たちの牧場」という夢を
都市近郊型の恵まれた土地で。

青沼 光さん酪農家

出身/広島県
移住年/2015年
家族構成/妻、子ども3人

牧場をやるなら町の近くで

高岡市の中心部から4キロほどの場所で、約2,700坪の牧場を営む青沼さんご夫婦。ご主人の光さんは、広島県出身の32歳。元の勤務先である黒部市の牧場で出会った奥様と自分たちの牧場を始めるため、2015年に高岡市に移住し、「clover farm」を立ち上げた。
「広島の実家は共働きのサラリーマン家庭で、住んでいたところも新興住宅地。進路を考える時期に、テレビで牛が放牧地を走るシーンを見て、今の生活にはないものを感じ、これだと思いました」と酪農の道に進んだきっかけを語る。
新潟の大学で酪農を学んだあとは長野、黒部の2つの牧場で経験を積んだ。「そろそろ自分たちの牧場を」と考えていたとき、高岡で後継者不在 のため廃業を検討している牧場があり、土地・牛舎・家・牛をまるごと買い取ってくれる人を探しているという話が舞い込んだ。
「もともと牧場をやるなら、多くの人が酪農にふれあえる、都市近郊型がいいと思っていたので、ここは理想の立地でした」。こうして高岡への移住を決めた。

牛の健康を考え、牛舎の中でもつなぎ飼いはしないスタイル。今では乳牛の品評会で優等賞を受賞するまでに。
牛の健康を考え、牛舎の中でもつなぎ飼いはしないスタイル。
今では乳牛の品評会で優等賞を受賞するまでに。

地域の人の暖かさやビジネスチャンスに恵まれ

畜産は周辺地域との関わり合いが難しく、最近では世代交代や経営者が代わるタイミングで、地域住民が反対の声をあげることもある。しかしここでは、そんな心配は無用だった。
「地域の皆さんはむしろウェルカムな雰囲気でしたね。クレームは無いし、放牧地を広げる際などに相談にものってくれます。お散歩のコースにもなっているみたいです」と、すっかり地域に溶け込んでいる。また、「clover farmの牛乳を使ってジェラートを開発したい」など、様々なコラボレーションも持ちかけられるようになった。
「こういった声がかかるのも、町と農村部の距離感がちょうどいい、都市近郊型の強みですね」。最初7頭だった乳牛を今は60頭に増やし、希望者には搾乳体験や見学なども。やりたかった牧場の形を夫婦で着実に実現している。
3人の男の子に恵まれた青沼さんご夫婦は、休みの日には子どもたちと出かけることも多い。「わんぱく盛りなので、高岡おとぎの森公園などで思いっきり外遊びすることが多いです」。市内には大型ショッピングセンターもあり、高速道路・電車・バスなどのインフラも整っているので、生活に不自由を感じることはないという。
「高岡市内は町もあれば田舎もある。その人それぞれに望んだ場所が必ず見つかる土地。まだまだいろんな可能性があると思います」と、高岡の魅力を話してくれた。

「たくましく育つ子どもたちの成長が楽しみ」と、笑顔で話す青沼さん夫妻。
「たくましく育つ子どもたちの成長が楽しみ」と、
笑顔で話す青沼さん夫妻。
広々とした放牧地を思いっきり駆け回る、元気いっぱいな子どもたち。
広々とした放牧地を思いっきり駆け回る、元気いっぱいな子どもたち。